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nonjournal


五月十五日
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    ユイコさんが中国から帰ってくるときに使ったチケットプランには「北海道産ジャガイモ10キロプレゼント(送料別)」というオプションがついていた。
    「送料払ってまで私、ジャガイモを10キロも欲しくない」と、至極真っ当な理由でそのオプションを断ったユイコさんの家に、断られたその気の毒なジャガイモたちが10キロ分、抗議にやってきた。
    伝書蜂を使ってそのことを知らせてきたユイコさんの家まで、息子のリンリンと共にでかける。
    なるほどユイコさんのすむマンションの入り口まで、ジャガイモの列が出来ていた。
    「ユイコさん、このジャガイモって10キロ分以上来てない?」
    「そうなのよ。他で断られたジャガイモたちまでがどんどんうちについでに抗議に来てるみたいよ」
    「うわー。そうなんだ。大変ね」
    ヒソヒソと小声でジャガイモたちの悪口を言うわたしたちをよそ目にリンリンは、
    「うんうん。そうなんだ。それは気の毒なことだったね」
    と、ジャガイモたちの愚痴を、一人一人丁寧に聞いてあげている。
    さすが我が自慢の息子!と思わないでもないが、ユイコさんもわたしも、そこまでジャガイモ料理に明るくないのでほとほと困ってしまう。
    リンリンが気の毒なジャガイモたちの話を聞いてあげること5時間。遂に気の毒なジャガイモたちはリンリンに心を許したようで、リンリンに丁寧に体をタワシでこすってもらったものから順に、礼儀正しくペコリとお辞儀をしては帰って行った。
    その頃ちょうど、わたしとユイコさんはポテトサラダで富士山を作ろうと腹をくくり、町中のマヨネーズを買い占めたところであったので、順にお辞儀をしては帰ってゆくジャガイモたちを大慌てで虫取り網で捕まえようとしたが、転がりながら帰ってゆくジャガイモたちのスピードは思いがけず速く、足がもつれたわたしはマヨネーズの束の上に転倒。そのはずみで飛び散ったマヨネーズがユイコさんの髪に大量に付着、辺りに酢のにおいが立ちこめて大変だった。
    夜、ユイコさんから不幸の手紙が3通届く。
    |16:42| - | - | - | posted by キャル - -
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